習志野で高校・介護施設に隣接のパチンコ店建築「換金所はどこに建つか知らない」と住民に説明も……
#パチンコ
世界フィギュアスケート選手権大会の会場内でハングル文字の広告が目立ったパチンコグループ「マルハン」だが、千葉県習志野市ではパチンコ店の出店をめぐって地元住民と激突が始まっている。
「学校の隣に建設するなんて、何を考えているんだ!」
「こんな住宅街にパチンコ店なんて」
怒号が飛び交ったのは、3月16日に開かれたマルハンの説明会だ。4月に建設を予定するという習志野市屋敷の大型パチンコ店について、この日は隣接するマンション住民に対する説明が行われたのだが、住民側は猛反発。現場は県立実籾高校や福祉センター、障害者支援の介護施設に囲まれた閑静な場所だが、1月に市側から「風営法条例に該当しない」との判断が下り、4月10日着工予定で2月下旬に地元住民たちの知るところとなった。
「見れば分かるけど、ここを通るのは学生とお年寄り、障害者ばかり。そんなところに777台の駐車場がある深夜11時まで営業のパチンコ店ができるというんだから、環境の悪化は免れない」
こう話した隣接マンションの住民男性によると「おかしいのは、市の条例で“教育施設の敷地の周囲おおむね200メートルの区域内は市長の許可がないと建てられない”とあるのに、市が許可したこと。高校から敷地まで、130メートルしかない」という。
ただ、マルハン側は「駐車場は、それに含まれないという認識」と、店の建物のみ200メートル以内に入らないよう建設するとした。
住民の中には「建てるのは仕方ないとしても、詳細な図面の提示もなく、フェンスひとつどんなものができるかすら伝えてこない。急に交通量は増えるだろうし、あまりにも配慮に欠けたやり方に憤りを感じる」という声もあるが、これに対してマルハン側は「企業秘密」を盾に、住民が望む細部への回答をしなかった。互いに一歩も譲らない会の途中、住民のひとりが説明するマルハン社員を撮影すると、社員もこれに抗議。
「写真を撮らないでください」
「撮影するのは自由でしょ」
「じゃあこっちもあなたを撮って、写真を使っていいんですね」
「何に使うんだよ」
といった押し問答もあった。さらには「パチンコ店は実質、賭博ではないのか」という質問にマルハン側は「アミューズメント施設です」と否定。景品の換金所が建てられるということ自体は認めたが「それは別業者なので、我々もどこに建つかは知らない」と曖昧な返答に終始。住民たちからは「それはおかしい」との声が多数飛んだ。
社員は「パチンコのイメージは、みなさんが考えるよりずっと良い。お年寄りの交流の場になったりもしている」となだめたが、場内から笑い声が漏れると、途端に顔色を変え「笑うな」と怒鳴りつける場面もあり、約3時間が最後まで互いにケンカ腰のまま終わった。
前出住民男性は「唐突に建設の連絡が入ったので、慌てて対策のための連絡会とホームページを立ち上げた」といい、21日には市長に直接、抗議の声を届けるという。
マルハンは年間2兆5,000億円の売上高を誇る大企業だが、建設に対する反対運動はほかでも起こっており、風当たりは弱まりそうにない。
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